パニック障害の対応方法(社会不安障害、会食恐怖にも応用可能)
はじめに
もしあなたが不安症で悩み、発作の衝撃波が襲って来た時に、力を入れて症状を取り除こうとしたり、闘いを挑んでみたか、ますます症状が激しくなる、または、発作が起きるような状況を避けて通っているのであれば、これから先のコンテンツはあなたのためにあります。
あなたがどんなに神経症の悪循環の中にいても、突破口はあると考えます。
悪循環から抜け出し、どのように解放へのステップを踏めばよいのか、ヒントを得て頂ければ幸いです。
1.パニック障害の正体
パニック障害の人は決まったパターンの考え方をします。
「身体の中に違和感を感じた時や発作の衝撃波が襲ってきたときに、それを取り除こうとして必死になっている」ということです。
そして症状に対して、力を入れてがまんしたり、闘ったりしてますます症状を悪化させます。
そしてこの悪化した状態こそがパニック障害の正体です。
では症状に対して、逃げることはどうか?
これもまた状況を回避することによって症状に対する恐怖を増殖させるので解決策になりません。
ではどうしたらよいのでしょうか?
「身体の中に違和感を感じた時や発作の衝撃波が襲ってきた時に力を抜いて受け容れる」
という技術を身につけることです。
治療において大切なことはたくさんの理論を学ぶことではなく、シンプルな原則をひたすら繰り返して練習することが改善、回復、解放へつながります。
次章では具体的な対処方法についてお伝えしたいと思います。
2.パニック発作の対応方法
この章では実際に突発的衝撃に襲われたときの6つの対応を細かく説明いたします。何度も繰り返して熟読し、きちんと理解して繰り返し実践し続けることが大切です。
①力を抜く
②発作の衝撃波が身体の中を貫いても、止めようとしない。
③どんな風に衝撃波がおこり、貫いていくかをよく観察して自分に説明してみる。
④力を抜きながら、その感覚、違和感を受け容れる。
⑤観察と受け容れを繰り返す。
⑥ある時自分から意識が離れていることに気づく(この体験を重ねていくこと)
一つ一つ説明していきます。
①力を抜く
発作の衝撃波が襲ってきたときに、力を抜きます。これが回復への第一歩です。いままで瞬間的に力を入れてふんばっていた反応から、とにかく力を抜く、という反応にかえていきます。
②発作の衝撃波が身体の中を貫いても、止めようとしない。
これは発作の衝撃波が身体の中を貫いても、好きなだけ暴れさせるということです。身体を固くしない、それを取り除こうとしないということが大切です。
③どんな風に衝撃波がおこり、貫いていくかをよく観察して自分に説明してみる。
力を抜いて、「胸が固まる感じ、喉を締め付ける感じ、つまる感じ」と自分の感覚を説明します。
④力を抜きながら、その感覚、違和感を受け容れる。
十分に感覚を説明したら、その感覚を受け容れます。 これはいままで取り除こうとしていた違和感に対して逆の対応をするということです。
⑤観察と受け容れを繰り返す。
身体の力を抜きながら、十分に観察と受け容れを繰り返していきます。自分に実況中継するものよいですし、少し余裕があれば紙にその感覚を書き出してもよいでしょう。
⑥ある時自分から意識が離れていることに気づく(この体験を重ねていくこと)
観察と受け容れを時間をかけて行っていると、あるとき他のことを考えていたり、自分から意識が抜けているときがあります。この体験を重ねていくことこそが改善、回復、解放へつながります。この技術の習得は一日ではできません。自転車に乗れるようになるには練習が必要なように、繰り返して反復して行うことにより身に付きます。
コツ①
我慢することと、受け容れることの違いを理解する。
我慢というのは、力を入れながら、それを取り除こうとしている状態、すなわちあなたがいままでやってきたことといってもよいでしょう。
それに対して、受け容れとは、力を抜いて、それを受け容れるということです。
コツ②
闘うことと、逃げることをしない。
発作の症状が襲ってきたときに、人間は本能的に闘うか、逃げるかという反応を取りやすいです。しかしこのどちらも解決の方向には行きません。むしろ、症状が襲ってきても、力を抜き、雲の上を浮かんでいくようにその場に入っていく、 身を置くということが大切です。
コツ③
無理をしない
体調が悪いときは無理せずにお休みしましょう。
何度でもチャレンジはできるので慌てずに。
体調がだいぶ整って、あとは気持ち次第というときが来たら少しずつ行動していきましょう。
まとめ
できるだけくつろぎ、身体の力を抜くこと。
発作の衝撃波が身体の中を貫いても、身体を固くしないで好きなだけ暴れさせる。この波を止めようとしないで力を抜きつづければ恐怖の波は広がることもない。その間に自分にどんな感覚が起こっているか説明し、受け容れる。
力の抜きながらそれを繰り返し行う。
3.第1歩を踏み出す
やり方を理解したら、次は、第1歩を踏み出すことです。ここでのコツは段階的に行うということです。例えば電車に乗るという目標があったとします。このときに一度に東京から横浜に急行電車で行くというのではなく、例えば下記のようにします。
①人の少ない時間帯に駅まで行ってみる
②ホームのベンチにすわる
③空いている電車(座れる電車)に入ってみる。 最初はのったら発車する前にまたおりてもよいと思います。
④各駅電車で次の駅まで行ってみる
⑤次の駅からは歩いて帰ってくる
この一連の流れの中で、前章で学んだことを繰り返し練習していきます。
まちがっても闘いを挑んだりしてはいけません。
雲の上を浮かんでいくように力を抜いてそこに入ってみるのです。
そして、練習しながら少しずつ電車に乗る距離を増やしてみたりすればよいと思います。
この勇気ある行動はあなたの人生を変えます。
回復は発作のこちら側にあるのではなく、発作の向こう側にあることを憶えておきましょう。
4.何度も繰り返して練習する
第一歩を踏み出せたら、それを繰り返して行っていきます。ここに書かれた原則を身体の中に刷り込ませていくということです。からだの中に刷り込ませるというのは、対処方法が自動思考のように出てくるということです。繰り返し反復する中で「自分から意識が離れる」ということを体験的に習得していきます。そしてこの体験が自信につながるのです。
下記の原則を忘れないようにしましょう。
①力を抜く
②発作の衝撃波が身体の中を貫いても、止めようとしない。
③どんな風に衝撃波がおこり、貫いていくかをよく観察して自分に説明してみる。
④力を抜きながら、その感覚、違和感を受け容れる。
⑤観察と受け容れを繰り返す。
5.再発への対応方法
繰り返し練習してしばらくはうまく行ってき、もう大丈夫かなと思っていたときに症状がまた襲ってくる、これはよくあることです。
回復は一直線に進むのではなく、波のように上下しながら進んでいくのです。
気分も落ち込みますが、こんな時は少し身体を休めることです。そしてまた気持ちを新たにして、行動を開始すればよいのです。
大切なのは再発しても、もうそれを恐れることはないということです。
なぜならあなたはすでに発作の衝撃波の正体とそれに対する対応方法を学んでいるからです。
このことを理解して、「自分から意識が離れる」という体験を積み重ねていくとき、たとえ時々発作がぶりかえして襲ってくるときがあってもそれを気にせずに前へ進み続けることができている自分に気づくでしょう。
6.それでも症状が改善しない場合
ここまでの対応方法を時間をかけて積み重ねていくことによって改善の方向に向かっていくはずです。
この本に書かれていることを何度も読み、正しく理解して、十分に練習もした、それでも回復しない場合、心(考え方)と同時に見ていく必要がある箇所があります。
それは身体です。
心は独立して存在しているのではなく、身体とつながっているからです。
パソコンにハードウェアとソフトウェアがあるように、身体(ハードウェア)の上に心(ソフトウェア)がのっているイメージでしょうか。
そして、身体(ハードウェア)の状態が悪いと、症状が出やすくなるということを
憶えておく必要があります。
では身体のどの部分を見ればよいのか?
それはズバリ首です。
首には自律神経の中枢が集まっており、そこが何らかの原因で痛むと、症状が出やすくなるからです。
首の具体的なケアのポイントは2つあります。
①温めて血流を良くすること
血流をよくするためには下記のような方法が考えられます。
・シャワー・お風呂で首を温める
・ホットタオルでケアする
ホットタオルは、濡らして絞ったタオルをラップで包んで、それを電子レンジで30秒~1分程温めます。
温めたものに乾いたタオルを上から巻いて首を温めます。(*やけどにはご注意ください。取り扱いについては自己責任でお願いいたします。)
・温灸を使用する
②首を痛めている生活習慣を特定し、改善すること
もし首が痛んでいたら、なぜそうなっているか考えてみましょう。
PC作業のしすぎが原因かもしれないし、ストレスから首こりを発生しているかもしれません。日常作業の中で首に負担をかけているものを特定します。
例えば、PCの長時間作業が首に悪影響を及ぼしているとします。
その場合、下記のように対応策を立ててみます。
①一つの作業が終わったら休憩する。そのときに軽く散歩したり体操する。
②スピードを落として作業する。
③PC作業そのものの時間を減らす。
④ホットタオルを時々首の後ろに当てて血行を良くする。
上記のように生活習慣の中で首を痛めている原因を特定して、対処していくことが大切です。
首に対する治療としては、下記の医療機関で首に対する低周波治療を行っていますので、参照にしてみてください。
東京脳神経センター
http://tokyo-neurological-center.com/
首を整えて、さらにこのコンテンツで述べられている方法を実践するときに、回復は加速していくことでしょう。
7.なぜそうなるのかを考えることの重要性
前章では、スピードを落として作業する、ということを書きました。
不安症の人はあせって早くやろうとする傾向があります。
この場合は、なぜあせってしまうのかを考えてみます。
例えば、呼吸が浅いからではないか、血流が悪いからではないか、と仮説を立ててみるのです。
では、呼吸を深くするにはどうしたらよいか、血流はどうしたらよくなるかを考えてみます。
1日2回呼吸法の練習をしてみたらどうか、有酸素運動をしてみたら有効なのでないか、とアイデアが出たらそれを実践してみるのです。
大切なのは、なぜそうなるのかを考える習慣を身につけることです。
あなたの首が痛んでいるのは、PCやスマートフォンが原因かもしれないし、
上司からのプレッシャーでストレスが溜まり、緊張していることが原因かもしれません。
原因となる生活習慣は人それぞれなので、一人一人が考えていく必要があるのです。
なぜそうなのか?という視点に立って、紙などに書き出し、仮説を立てて検証していくことが必要です。
おわりに
この文章を作成するにあたってある恐怖感が襲ってきました。
こんなりっぱなことを書いて、自分がまた再発して電車に乗れなくなったらどうしよう。。。というものでした。
しかし、その時思いました。再発したらこのコンテンツにある通りに実施してまた回復すればよいと。
そして足りない部分があれば、対処法を確立して、このコンテンツをより良きものへ改訂していこうと。
結局のところ、パニック障害は「生活習慣」と「考え方の習慣」を変えることによって回復していくのです。
生活習慣や考え方の習慣によってつくられた症状は、同じように生活習慣や考え方の習慣を変えることによって回復するしかありません。
習慣を変えることは、時間をかけて行っていく必要があるということを覚えておきましょう。
繰り返しになりますが、パニック障害の治療において大切なことは沢山の理論を学ぶことではなく、シンプルな原則を体の中に染み込ませるまで練習することです。
その先にある、改善、回復、解放をぜひ自分のものにしてください。
最後に聖書の一句をご紹介して終わりたいと思います。
「もし、恐れ退くなら、わたしのこころは彼を喜ばない。
私たちは、恐れ退いて滅びる者ではなく、信じていのちを保つ者です。」
(新約聖書 へブル人への手紙10:38-39)
あなたの回復をお祈りしています。
参考文献
「不安のメカニズム」 クレア・ウイークス (著), 高木 信久 (翻訳) 講談社
「副交感神経力が高まり病気がみるみるよくなる! 松井博士式「首こり解消」体操」 別冊宝島
「新改訳聖書」 新日本聖書刊行会
自己紹介
不安症首こり仙人
IT関係の会社員をしております。よろしくお願いいたします。
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